2013年1月2日水曜日

1X11A094 髙橋 まり  A+++


 
















137億年を刻み直す」
ミシン目のスパイラルなミクロな振幅と他とシンクロするマクロな波形の中に表現された自律的で軽快な表現体としての時間はEamesPowers of Tenが10nによるJumpスケーリングだとすると、同じ座標軸でパラレルに展開されるDanceスケーリングと形容されるのではないだろうか。
半透明のロール紙で演出された、マルチレイヤーの中にクローズする形で隠蔽されたパースペクティブと時間のもつauthenticity(確実性・信憑性)からスケール的に開放され,突き抜けた軽やかさは製作手段とプロセスの中で、新たに発見され、追加された魅力でもあり、作者の追体験的として織り込まれた一回性のスケールバーとしての特性を助長している。(博多)
1X11A051 工藤 永人  A++



 















「作業と休息の角度」
椅子という形式の中に設定された緊張と緩和の勾配のはざまに受動的に刻まれる時間。近代の社会インフラとしての時間から抜落ちたもう一つの時間の様態をOne-motionの中に圧縮している。
クロックなSwingの中に宿る緩やかな動きは、時間的病理からの自己回復をはかる装置と言えるかもしれない。誤差として表現された不揃いなOSB材と精度を担保するボルト緊結のバランスが良い。(博多)
1X11A096 髙橋 蓮  A++



 











段ボールに塗り付けられた素材が盛り上がる。表面に無数の巣穴が穿たれた表層が印象的である。時間とともに様相を変容させる。大地の表情が見事に表現されていると感じる。時間体とは自然体でもあるのだ。(入江)
1X11A059 小林 大純  A+++



 












「朽ちる」
たばこの火をつけてから1本吸い終わるまでを時系列に並べられているが、その完成度が素晴らしい。まるで、標本のように並べられた吸殻は吸殻であって吸殻以上のものである。灰の堆積に時間体を感じながら、又吸っている時間の思考にまで思いを馳せられる。(間下)
1X11A053 藏田 夏美  A++



 











 20min
「20min」というタイトルのついた丁寧な箱を開けると1分、2分と燃やす時間を変えたロウソクが20本きれいに並んでいる。
時間をかけて仕上げた不規則なグラデーションの作品は「時計体」というタイトルにふさわしく、今でも箱の中で時間が流れているようにみえる。(安東)
1X11A002 秋間 弘貴 A++



 
















さまざまな長さのクレヨンが色とりどりに集合し背を伸ばしている。クレヨン一つ一つの素姓は、使う人(作者)の心持ちや好みの中で作用・対応しながら変容して、時間とともにあるのだろう。形態の背後にある時間体を感ずる。(入江)
1X10A801 池川 隼人 A++





 




 均質な団地の窓のようなフレームワークに小さな差異として表現された、すりガラスの奥の黒い遮光カーテンは内に流れる生理的な時間のレイヤーを感じさせる。
日常の営為の中にすれ違う隣接する時間。或は、一つの窓内でカメラの絞りのような動きを見せるカーテンで表象される外接面の時系列を時間のElevationとしてさりげなくモデル化した点が評価される。(博多)